バイトなどの求人広告、就職活動で社会保険という言葉を耳にすることはありませんか?
ビラなどの求人広告では、「社会保険完備」と書かれていることも多いと思います。
社会保障がしっかりしている仕事がいい、という理由から社会保険完備を重視する人もいると思いますが、そもそも社会保険とはなんでしょうか?
社会保険には雇用保険、労災保険、健康保険、厚生年金保険の4つがあります。
これら全ての保険が完備されていることもあれば、一部が保証されているケースもあります。
各々の保険がどういったものなのか、社会保険完備といってもどの保険が適応されているのか確認しておきましょう。
まずは、各々の保険について説明したいと思います。
雇用保険とは?
雇用保険とは失業したときに一定条件を満たしていれば失業手当を受けることができます。
ただ全ての労働者が雇用保険に入れるのではなく条件があります。
・1週間に20時間以上働く
・31日以上働き続ける予定である
ことが条件で、この条件を満たしている場合には、加入義務があります。
注意してほしい点としては、加入する権利ではなく義務となることです。
正社員、アルバイトなど形態は問わず、雇用保険には加入する必要があるため、勤務先の会社が手続きをする必要があります。
現状として、時間がぎりぎり越えていただけで気付かなかった、手続きを忘れていた、などの理由から、加入させていない場合も少なくありません。
もちろん加入義務を怠った場合には罰則対象となりますが、全ての会社をこまめにチェックすることができず、加入手続きがされていないこともあるのが現状です。
労災保険とは?
労災保険は、業務中に怪我をしたり、病気にかかったとき、治療費や治療期間中の給与を補償してくれる保険です。
労働者災害補償保険の略となります。
病気や怪我だけでなく、障害が残ったときには障害年金、死亡のときには遺族年金が支給されます。
保険料は全額会社側の負担となります。
雇用保険と労災保険は加入が義務づけられている
先ほども軽く触れましたが、雇用保険と労災保険は条件がありますが、加入が義務付けられています。
そういった意味では、社会保険完備というのは当たり前の話とも言えます。
雇用保険では条件があるものの、労災保険には条件はないため加入は必須となります。
とはいえ、雇う会社側の負担が増えることや、そういった知識が欠如していて、実際には未加入となっている場合が少なくありません。
労災保険に関しては、遡って保険に加入することもできますので、事故が起こってからでは遅い、ということはありません。
最悪の場合、事故が起こってから労災保険に加入することも可能ですので、そのことを覚えておくといいかもしれません。
健康保険とは?
健康保険とは、仕事以外での病気や怪我のときでも治療費を補償してくれる保険です。
いわゆる一般的な健康保険で、普段持っている保険証にあたる保険です。
健康保険証を持っていることで医療費の負担額は3割となります。
もし健康保険証がない場合には、医療費を全額負担しなくてはならないため、健康保険に入っていることはとても大事です。
注意しておいてほしい点としては、健康保険と国民健康保険は違うということです。
健康保険は社会保険のひとつであり、社保とも略される通り、会社などの雇用側から労働者に向けた保険です。
国民健康保険は国保と呼ばれ、自営業者や学生や未成年が主となります。
また、健康保険の場合、被保険者の扶養家族(妻や子供)にも適応されます。
主婦のパートの場合、夫の扶養から外れる必要がない場合には、既に健康保険に加入されていることが一般的ですので、健康保険に加入する必要はありません。
むしろ収入が多過ぎると夫の扶養から外れ、自分で健康保険に加入する必要があり、あまりお得とは言えないでしょう。
厚生年金保険とは?
厚生年金保険は、国民年金に上乗せされる形でもらうことができる年金です。
基本として上乗せされる年金は老齢年金というのですが、それ以外にも障害年金や遺族年金などの充実を図ることができます。
老齢年金に関しても、通常約5万円ほどから約15万円ほどまで上がります。
(もちろんその保険料を支払うのは労働者と会社ではありますが)
社会保険と一言で言っても、これら4種類の保険があります。
そして、そのどれに加入すべきか状況によって変わるため、自分の労働時間や環境と合わせて考えてみてください。
そして、求人を探すときには、社会保険完備という言葉に惑わされることなく、しっかりと内容が伴った社会保険かどうか見定め、より良い労働環境で働けるよう心がけてみてくださいね。
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