学校を卒業して初めて入った会社。
ですが、まだ1年も経たないうちに会社を辞めたいと思ってしまったことはありませんか?
もう会社に行くのが辛くてたまらない、なんてことありませんか?
新卒で入ったばかりだけど、会社を辞めたい、と思うことは決して珍しいことではありません。
ですが、すぐに会社を辞めることが正しい行為ではない場合もあります。
まずはこれからお伝えする5つのポイントを実践してみてください。
新卒のかたが退職や転職をする際に考えておくべきことをまとめてみましたので、参考にしてみてください。
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すぐに辞表を提出することは避けよう
「なぜ辞める前に考えることが必要なのか?」という点ですが、転職にはリスクがあります。
具体的にはどんなリスクがあるのか、どうしてすぐに辞めるのは避けるべきか、その理由を説明します。
理由1:失敗を繰り返す危険性がある
転職活動は十分に考えた上で行動しないと、転職先でもまた同じ経験をしてしまい、嫌になってしまう可能性が高いです。
もしかしたら、転職先の会社よりも前の会社のほうが、働きやすかった、なんてことも起きかねません。
たとえば人間関係が上手くいかないこと。
これは、どこの会社でも起こりえることです。
転職先で最初に配属された部署では上手くいったとしても、将来異動したときにまた問題となる可能性もあります。
もちろん、ひどいケースの場合には辞めるという選択もあるでしょう。
ですが、まずは現状の転職したい理由が、退職や転職をすれば解決できることなのかを分析し、今の環境のなかで自分で解決できる手段があるかどうか、考えてみましょう。
理由2:転職回数が多いことは信用性を低くする
昔に比べ、今は転職するのが当たり前の時代になり、数年で転職を繰り返す人も珍しいことではありません。
転職が、キャリアップの1つの手段として捕らえる人も少なくありません。
確かに転職をすることで、より広い経験を得られたり、成長の機会が与えられることになることもあるでしょう。
けれど、日本では基本的に転職回数が多い人は、企業から信頼されにくく、採用することを敬遠される場合が少なくありません。
特にこの傾向は、大きな企業、伝統的な企業に強く見られる傾向です。
もちろん規模が小さな会社で新しい会社であっても、あまり転職回数多すぎることは日本ではあまり歓迎されないことを知っておきましょう。
また、転職者の採用は、本来足りないスキルや経験を外部から補おうと企業が行う行為です。
わずか1年ほどの経験しか持たない新卒ですと、そういった要素をカバーできる可能性が低い場合もあり、転職活動では不利な場合もあります。
とはいえ、転職先の企業によって様々ですので、転職活動をするなかで転職エージェントに直接聞いてみることは比較的おすすめです。
例えば、転職エージェント大手のDODAですと、企業情報の提供だけでなく、キャリアカウンセリングや職務経歴書の書き方までサポートしてくれるので、初めての転職活動には嬉しいサポートと言えるでしょう。
理由3:会社員としての基礎を学ぶ機会を失う危険性がある
日本の企業の場合、会社の規模によって大小はありますが、基本的に非常に手厚く新人研修、教育を施す傾向があります。
特に規模が大きくなればなるほどこの傾向は強まると同時に、新入社員に対して非常に寛大です。
企業は、新卒の社員のポテンシャリティや可能性を感じて、「将来はこんなことができるような社員となるだろう」という、期待を持って採用しています。
その結果、企業は時間をかけて新卒社員を育てようと、最初は新人研修、次はOJTによる先輩からのトレーニング、さらにもっと踏み込んだ仕事を通じた教育を行ってくれます。
つまり、最初の1年間、もしくはそれ以上担当として仕事がある程度こなせるまで、あなたは会社からお金をお貰い、その上社会人として一人前になるためのスキルや経験を与えられているのです。
新入社員は、お金をもらってタダで勉強させてもらっているのだ、ということを覚えておくといいでしょう。
また、日本社会においては、他の国では考えられないような細かなルールや決まりごとがあります。
たとえば名刺ひとつ出すにしても、電話をとるにしても、メールを送るにしても、社会人としての言葉遣い、立ち振る舞いが求められます。
企業は新卒者に対して、こうした基本的なことを含め、社会人として知らなければならないことを徹底的に叩き込みます。
ですが、あなたがひとたび新卒でなくなったとき、基本的にはスキルや経験がより求められ、上から受動的に教わるという機会はどんどん失われます。
基本的なマナーやルールなど、当然わかってしかるべきことなのです。
たとえあなたがどんなに仕事ができても、基本的な社会人としての所作や行動ができていないと、日本では低い評価を受けてしまう可能性があることを覚悟しておきましょう。
辞めたいと思うことは自分を振り返る良いチャンス
さて、1つ目の「なぜやめる前に考えることが必要なのか」以外にも、すぐに辞表を提出しないほうがよい理由があります。
その2つ目の理由は「辞めたいと思うときは自分を振り返る良い機会となる」からです。
言い換えれば、社会人生活を経験し学生時代とは違う視点で、もう一度自分がやりたい仕事、自分がどういう社会人になりたいのかを振り返る絶好の機会となるからです。
学生時代は、OBやOG訪問、会社説明会、インターンでの勤務、アルバイト、雑誌や書籍での業界研究で、自分なりに勤めたい企業や業界、職種について研究されたことでしょう。
ですが、実際に入社してみて社会人として働いてみると、学生時代よりははるかに深くその仕事を知り経験できたと感じるのではないでしょうか。
そういった社会人経験をもとに「自分が何をやりたいのか」を再度考えてみてください。
現在勤めている企業と良好な関係で去ることは大切
すぐに辞表を提出しないほうがよい3つ目の理由は「去る会社と有効な関係を保つことは、将来の自分にとって役に立つことがある」ということです。
もちろん、どうやっても、現在勤めている会社や同僚とよい関係を保てない形で辞めざる得ないときもあるかもしれません。
ですが、もしあなたの努力で良い関係を持てる可能性があるのなら、やっておいたほうがいいでしょう。
例えば、もし転職先で再度転職したいと思う場合、相談に乗ってもらえる人がいる、ということです。
同じ業界内で転職する場合、昔の先輩や同期、上司などと利害関係なく話せることは大きな財産となるはずです。
また、人事や会社も繋がっていますので、去る会社のなかで評判が悪いとその評判は他の会社にも伝わります。
関係が良好ですと、転職先での仕事に前職の繋がりを活かすことなどもでき、プラスに働くことが多いです。
当たり前ですが、誰かに嫌われて良いことが起きることはありません。
あまりに急な退職は勤め先に迷惑をかけるため、最低1ヶ月~3ヶ月程度は時間をとっておくといいでしょう。
「なぜ辞めたいと思ったのか?」理由を整理する
4つめのアドバイスとして「なぜ辞めたいのか?」その理由を徹底的に考えてみましょう。
具体的にどのように辞めたい理由を整理し考えるか、その方法を紹介します。
理由を箇条書きにして書き出してみる
まずは、思いつく限り、辞めたい、と言う理由を書き出してみましょう。
「先輩が意地悪で困る」「希望でない部署に配属された」「やりたくない仕事ばかりさせられる」「ハラスメントを受ける」などなど。
もうこれ以上考え付かないほど、徹底的に洗い出してみましょう。
箇条書きごとに、今度は文章化してみる
次に書き出した箇条書きの理由をさらに具体的に文章化してみましょう。
少し面倒な作業ですが、くじけず時間をかけて書き出してみましょう。
たとえば、「先輩が意地悪で困る」と言う場合、いつ、誰がどのような形で行っているのか、それに対して周りはどうだったのか、など。
文章化することは、自分の考えを客観的に見つめるのにとても役立ちます。
主観的、感情的に辞めてしまうことは、将来のあなたにとってプラスに働くことはまずもってありません。
だからこそ、できるだけ客観的にやめる理由を考えてみることが必要なのです。
辞めたい理由をもとに自己分析してみる
次のアクションは、辞めたい理由をもとに自己分析をすることです。
具体的な自己分析の方法を挙げますので、参考にしてみてください。
辞めたい理由をポジティブとネガティブに仕分けする
まずは辞めたい理由をポジティブとネガティブに分けてみましょう。
ポジティブな退職理由とは、現職から出て行きたい理由といった非積極的な理由ではなく、今の職場を去ったほうが将来的に広がりがある、あなたの成長につながる理由となるものです。
ネガティブな理由とは、現職の職場への不満に関するもので、あなたの成長とはあまり関係がないものです。
「今の仕事がつまらない」「自分の能力が生かせない気がする」「上司が有能でない」などです。
ネガティブな理由が多い場合、自己改革を行う必要があるというサイン
辞めたいと思う理由がネガティブなことしかないのだとしたら、それは、自分を変える必要があるサインです。
物事の問題は、大抵両者の言い分があるものです。
一方的に職場が悪い、ということはほとんどないと言っていいでしょう。
特に新卒者の場合、社会人経験は非常に浅く、他の職場がどうなっているか、比較できる対象もない状態です。
ですから、自分の中に問題点がないかを見極めるよい機会となります。
また、ネガティブな理由の場合、転職しても解決しないケースが多いため、転職がプラスになる可能性が低いです。
ポジティブな理由は、転職後の働き方のヒントとなる
ポジティブな退職したい理由は、転職後または現職でのあなたの働き方のヒントになるものがあります。
たとえば、あなたがIT企業でオンライン・マーケティングを担当していたとします。
そしてその業務の中で、あなたはもっとプログラムやインターネットの構造を深く知ったほうが、よりあなたがIT業界で生きていく上で将来大きな成長につながる、と考えたとしましょう。
そうした場合、あなたはすでに自身の将来のキャリアビジョンを描き始めていると言えるはずです。
ポジティブな退職理由を深く分析することは、今後ありたい自分の姿、働き方の大きなヒントとなります。
自己分析ツールを活用する
最近では、自己分析ツールを活用した分析も流行っています。
例えば、転職サポートアプリのMIIDAS(ミーダス)では、「転職すべきタイミング」「本当の年収」「マッチする企業や業種」などを幾つかの情報を入力するだけで分かることができます。
自己分析が苦手というかたは、こういった自己分析ツールを使うとより正確に分析できるはずです。
辞めたい理由を自己改革につながるか考える
転職先で、あるいは現職で幸せに働くためには、前述で述べた自己分析をもとに、将来に向けて自分がどういう行動をする必要があるか、を考えてみましょう。
ネガティブな退職理由から自己改革できるポイントを挙げる
転職先で同じ過ちを繰り返さないようにするためには、しっかりと自己分析を行い、改善できる点がないか考えることは、どういった環境で働くにせよ重要です。
特にネガティブな退職理由は、転職後においても再び直面してしまいがちなものが多いです。
「今の仕事がつまらない」と感じる理由はなぜか、それは、興味がまったく持てないから、としたらどう、改善案を考えたらよいでしょう。
仕事には楽しいものもあれば、つまらないものもあり、いつも楽しいことばかりではありません。
けれど、どんな仕事にも意味があり、得るものがあるはずです。
やりがいを自分自身で発見することにより、仕事に向かう姿勢は変わってきます。
怠惰で仕事をする人間から、積極的にプロフェッショナルになることを追求する人間へと自己改革しましょう。
ポジティブな退職理由から、自分が求める働き方をまとめてみる
次に、ポジティブな退職理由から、自分がどういうキャリアを形成していきたいのか、どういう職を求めているのか、まとめてみましょう。
自分が求める企業人としての自分をイメージすることで、仕事への目的意識が高まります。
目的意識を持って、仕事に向かうことは、仕事の質を高めることにつながり、転職しても今の職場でも社会人としてのあなたの成長に役立つはずです。
もう一度本当に辞めたいのか考えてみよう
最後に、これまで作成した文章を元に、あらためて本当に会社を辞めたいのかを考えてみましょう。
自己改革した場合の自分を想像してみる
まずは、あなたが想像した自己改革後の自分を想像してみましょう。
そしてそれは、今の会社で実現可能か十分に検討し、もし改善できそうならすぐ始めてみましょう。
ネガティブ退職理由は今の会社では払拭できないのか考える
「上司が嫌い」「仕事がつまらない」など、ネガティブな退職理由は本当に変えられない、絶対的な転職理由となりえるのでしょうか。
繰り返しますが、周りに対する不満から来る離職理由は、次の職場でも何らかの形で必ず出てきます。
相手を変えることはできませんが、自分を変えることはできます。
前述した自己改革を行うことでも変えられないのか、もう一度じっくり考えてみましょう。
ポジティブな辞めたい理由は本当に今の会社ではできないのか考える
あなたが考えているポジティブな理由は、本当に今の会社ではできないのでしょうか。
例えば、わずか1年足らずで会社を辞めてしまうのは、今の会社から学べることを十分理解したといえる時間なのでしょうか。
また、転職しないとできないことなのでしょうか。
学校に習って勉強する、副業で試しに始めてみるなど、転職しなくてもできる方法もあるはずです。
仕事を辞めたくても計画性は大事
新入社員に関わらず、みな誰しも一度や二度は会社を辞めたい、というときがあるものです。
ですが、ある程度のキャリアを持った転職者と異なり、新卒ですと今の職場で十分な時間を費やし、次の職場ですぐに役立つスキルと経験を培ったとは言えない段階にあります。
十分に考えた上で会社を辞めることは、決して無駄な時間とはなりません。
また、退職や転職は焦ってやっても良いことは何も起きません。
特に、新卒の場合は、DODAなどの転職エージェントに相談して、多少引っ張ってもらいながら進めるほうが安全でお勧めです。
どういった進路にするにせよ、時間をかけて周りに相談をしながら、焦らず進めていってくださいね。
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